弁護士法人 Si-Law

西田ブログ

WHYから始めよ

ゴールデン・サークルは円の中心から始まる。すべてがなぜ(WHY)から始まる。

 

WHAT:企業や組織は、自分のしていこと(WHAT)=自社が扱っている製品やサービスのこと、なら分かっており説明できる。

HOW:自分がしていることの手法(HOW)=「価値観に差異をもたせる」「独自の工程」「ユニークな販売計画」など他社とは違う方法、を知っている企業や組織もいる。

WHY:自分がしていることを、している理由(WHY)を明言できる企業や組織は少ない。WHYには「お金を稼ぐため」という理由は含まれない。それは結果にすぎない。なぜ、あなたの会社は存在しているのか?なぜあなたは毎朝ベッドから這い出し出勤しているのか?私たちは、自分のしていること(WHAT)は説明できる。時には手法(HOW)も説明できる。ところがそうしている理由(WHY)を説明することは滅多にない。

 

例えば、コンピューターメーカーがWHATから始めて考えたマーケティングメッセージはこんな感じになるかもしれない。

「われわれは、すばらしいコンピュータを作っています。

美しいデザイン、シンプルな操作法、取扱いも簡単。一台、いかがです?」

 

傑出したリーダーや組織は、このようなメッセージではなく、円の内側(WHY)から外側(WHAT)への順で考え、行動し、コミュニケーションを図っている。

革新的な世界企業であるアップルが、WHYから発するマーケティングメッセージは以下のようになるだろう。

「現状に挑戦し、他社とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。

製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しています。

その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。一台、いかがです?」

 

上記は「WHYから始めよ!」(サイモン・シネック著、栗木さつき訳)から引用しました。

メッセージにごまかしや、無料のおまけがある訳ではありませんが、2番目のメッセージの方がコンピュータを買いたくなるのではないでしょうか。

お客様は企業がしていること(WHAT)を買うのではなく、企業がそれをしている理由(WHY)を買う。そのように考えることができるかもしれません。

自社がなぜ存在しているのか?我々はなぜ働いているのか?

それを腹に落として明確に伝えることが企業には必要だと思うのです。

 

経営のスピード

松下電器のある事業部がうまくいかず、事業部長が交代して立て直しを図ることになり、新任の事業部長が、松下幸之助のもとに挨拶に訪れて言いました

「いろいろ実態を調べましたが、これは必ずよくなります。だから半年間は黙ってみてください。必ず良くします。」

 

これに対して松下幸之助は笑顔でこう答えたそうです。

「そうか、半年どころか1年でもなんぼでも待つで。わしは1年でも2年でも待つけどね、しかし世間が待ってくれるかどうかは知らんで。」

 

会社を良くするためには改善を積み重ねなければなりません。しかし、改善しようという気持ちがあるにせよ、ついつい目標達成の期日を内部の事情で考えてはいないでしょうか。

 

松下幸之助が真に求めていたのは、自分たちがしている程度の努力は、他の会社でもしているに違いないと緊張感を保ち、世間が待ち望んでいる商品をどこの会社よりも早く、全力で開発するのだという固い決意だったのかもしれません。

 

時代は違えども、戦国の雄である織田信長も、何よりもスピードを重視していました。天下布武を目指して、周囲の敵対する戦国大名の誰よりも早く次々と手を打ち、多くの負け戦もしながら、負け戦と見るや神速ともいえる行動で撤退を決めて生き抜いていきました。

 

凄まじいスピードで変化する現代においては特に、たとえ1ヶ月でも、1週間、1日、1時間でも早く目標が達成できるよう全力を尽くす。そして目標を実現したら、さらにより高い目標を設定する。人よりも先んずる経営を実現するには、何よりもスピードを大切にし、改革、改善を続ける姿勢が必要なのだと思います。

 

松下幸之助は次の言葉も残しています。

「時間をかけなければよい仕事ができないとか、素晴らしい発明が生まれないという考えにとらわれるのは危険である。

われわれはスピードの時代であるということをもっと自覚して、今日考えたことはその日に実行してしまうこと、思い付いたことはすぐ実行し実現するという考え方で仕事を運んでいかねばならない。」

 

 

吉田松陰という名前はご存じの方が多いのではないでしょうか。

松陰は29歳の若さで安政の大獄によって処刑されるまで、松下村塾で門下生に孟子など様々なことを教えていましたが、松下村塾で教えていたのはたったの13ヶ月でした。

にもかかわらず、門下生として高杉晋作や伊藤博文など、明治維新を支えた多くの人物を輩出しました。

 

そんな松陰の言葉で「志を立てて以て万事の源と為す」(志を立てることから、すべては始まる)という言葉があります。

松蔭はわずか17歳で、友人に対して以下の言葉を送っています。

「進む道が正しいか正しくないか、学問や仕事が上手く行くか行かないか、それは志を立てたか立てなかったかにある。だから士たるものは、その志を立てねばならない。志があればやる気もついてくる。意気込みがあれば、目標が遠くにあってもたどりつけないことはなく、難しくてできないということもない。」

 

また、松蔭は「至誠にして動かざる者未だ之れ有らざるなり。」(至誠をもってすれば、不可能なことはない)という言葉を残しています。

そして、誠の一字には3つの大義があり、一に実行、二に専一、三に継続であると言っています。

どんなに優れたことも「実行」しなければ意味がない。とはいえ、実行しても、そう簡単に望みどおりにやり遂げられることは稀である。だから他のことを考えず、ただ1つの事に心を注ぐことが重要で、これが「専一」である。そして、決して途中で諦めず「継続」しなければならない。

つまり、人間は、1つの事に心を注いで実行して継続することが大切だと、松蔭は伝えているのです。

 

志を言葉にできますか?

志を社員に伝えていますか?

言葉にしなければ相手には伝わりません。

言葉にしても行動しなければ意味がありません。

行動も集中して継続しなければ結果は出ません。

言うのは簡単ですが実際に行うことは難しいものです。

揺るがない志がなければ、行動意欲が沸かず、やり遂げることは困難になります。

志がなければ、人も付いてこない、組織もまとまらない、客に支持されない。

志は全ての源となるのです。

 

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