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西田ブログ

遺留分侵害額請求の時効は1年?兄弟間トラブルの進め方を八代の弁護士が解説

こんにちは。弁護士法人Si-Lawです。「亡くなった父の遺言書に、財産はすべて兄に相続させると書かれていた」「同居していた弟が生前に多額の贈与を受けていた」——こうしたご相談を八代の事務所でお受けすることがよくあります。このとき使えるのが遺留分侵害額請求ですが、遺留分侵害額請求には時効があり、侵害を知ったときから1年で請求できなくなります。制度の中身よりも先に、まずこの期間を押さえていただきたいと思います。

遺留分侵害額請求について弁護士に相談する場面のイラスト

遺留分侵害額請求の時効は「知ってから1年」

民法は、遺留分を侵害されている方が請求できる期間を2つの物差しで区切っています。1つ目は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから1年です。2つ目は、知っているかどうかに関係なく、相続開始のときから10年です。どちらか早いほうが来れば、請求はできなくなります。

実務でつまずきやすいのは1年のほうです。「四十九日が済んでから」「兄との関係もあるのでもう少し様子を見てから」と考えているうちに、遺言の内容を知った日から1年が近づいているケースは珍しくありません。遺言書の写しを見せられた日、検認の期日に出席した日などが起算点の手がかりになります。まずご自身がいつ内容を知ったのかを、手帳やメール、郵便の消印などで確認してみてください。

なお、1年以内に請求の意思を伝えれば、そこで金銭の請求権として確定します。その後は金銭債権としての時効(原則5年)の問題に移りますので、伝えた後も放置せず話し合いを進めることが大切です。

遺留分侵害額請求で押さえる5点

2019年の改正で「お金の請求」になりました

2019年7月1日以降に開始した相続では、この制度は遺留分侵害額請求という名称になり、請求できる内容は金銭に一本化されました。それ以前の「遺留分減殺請求」では、不動産そのものが持分の形で共有になってしまい、その後の売却や管理でさらに揉めることがありました。現在は「不動産をよこせ」ではなく「侵害された分の金額を支払ってほしい」という請求になります。

請求できる金額は、遺産の総額に生前贈与の一部を加えたものを基礎として、ご自身の遺留分の割合を掛けて計算します。相続人が配偶者と子である場合、遺留分は全体で2分の1、これを法定相続分で分け合うのが基本形です。八代周辺では自宅や田畑、アパートなど不動産の割合が大きいご家庭が多く、不動産の評価をいくらと見るかで請求額が大きく変わります。固定資産税の評価額をそのまま使うのか、取引事例に基づく時価で見るのかは、交渉の重要な分かれ目になります。

「兄弟姉妹に遺留分はない」という話との違い

ここは混同されやすいところなので、丁寧に整理します。遺留分が認められるのは、配偶者・子(その代襲者)・直系尊属(父母や祖父母)です。相続人が被相続人の兄弟姉妹だけという場合、その兄弟姉妹には遺留分がありません。お子さんも親御さんもいない方が亡くなり、ご兄弟が相続人になるケースがこれにあたります。

一方、親の相続をめぐって子どもである兄弟同士が争う場面では、それぞれが子として遺留分を持っています。「兄弟には遺留分がないと聞いた」とあきらめてしまう方がいらっしゃいますが、ご自身が亡くなった方のお子さんであれば話は別です。どちらの立場なのかを最初に確認してください。

1年を過ぎないために——まず内容証明郵便で意思を示す

遺留分侵害額請求は、裁判を起こさなくても、相手方に請求する意思を伝えるだけで効力が生じます。ただし、後から「そんな話は聞いていない」と言われないよう、配達証明付きの内容証明郵便で出しておくのが実務の基本です。金額をまだ計算できていなくても構いません。「遺留分侵害額を請求します」という意思表示を期間内に届かせることが先決です。

通知を出したうえで、遺産の内容(不動産、預貯金、生前贈与の有無)を調べ、金額を詰めていきます。預貯金の取引履歴や不動産の登記、贈与の資料などは、相続人の立場で取り寄せられるものが多くあります。

話し合いがまとまらないときの進め方

交渉で折り合えない場合は、家庭裁判所の遺留分侵害額の請求調停を申し立てます。調停でもまとまらなければ、地方裁判所または簡易裁判所での訴訟に移ります。遺産分割調停とは手続きが別物で、申立先や必要書類も異なりますので、どちらの手続きで進めるべきかは早い段階で整理しておくほうが遠回りになりません。

また、支払う側になった場合は、手元に現金がなく不動産しかないという事態が起こり得ます。裁判所に支払期限の猶予を求めることができる仕組みもありますので、請求を受けた側も早めにご相談ください。

ご相談をお考えの方へ

遺留分の問題は、期間の制限があること、そして不動産の評価や生前贈与の扱いで結論が動くことが特徴です。「請求できるのかどうか分からない」という段階でも、期間の起算点と遺産のおおまかな内容が分かれば見通しをお伝えできます。1年という期間が迫っている場合は、その旨をお電話でお伝えいただければ、日程を調整いたします。

八代・熊本での相談実務

遺産分割の話し合いがまとまらない場合、八代市・氷川町・芦北町などにお住まいの方は熊本家庭裁判所八代支部(八代市西松江城町)が調停の管轄になります。調停は月1回程度のペースで期日が入り、解決までに半年から1年以上かかることも珍しくありません。農地や自社株、空き家となった実家が遺産に含まれるケースは八代地域では特に多く、評価や分け方をめぐって争いが長期化しやすい点に注意が必要です。当事務所は八代オフィスを拠点に、必要に応じて連携する税理士・司法書士とともに対応しています。

こんなときは弁護士へご相談ください

  • 相続人の間で話がまとまらず、遺産分割協議が止まっている
  • 遺言書が出てきたが、内容に納得できない・有効なのか分からない

ご相談の流れは、お電話またはフォームでのお申し込み → 日程調整 → 八代オフィスまたは熊本オフィスでの面談(オンライン相談も可)です。相談料は1時間11,000円(税込)、1時間を超える場合は30分ごとに5,500円(税込)です。受付時間は平日8:50〜17:30(土日祝休)です。

遺産分割・遺言・家族信託については、専門サイト「この街の相続」でもくわしく解説しています。

お電話でのご相談:八代オフィス 0965-62-8582(弁護士部門)/熊本オフィス 096-234-6543
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本記事は一般的な法律情報の提供を目的としたものであり、個別の事情によって結論は異なります。記載内容は公開日時点の法令・実務運用に基づくもので、特定の結果を保証するものではありません。具体的な対応は弁護士にご相談ください。

執筆・監修:弁護士 西田幸広(弁護士法人Si-Law)
公開日:2026-09-16 / 最終更新日:2026-09-16

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