弁護士法人 Si-Law

西田ブログ

商品の価値

商品の価値は誰が決めるのでしょうか。

 

同じコーラであっても,量販店で買うと150円のコーラが,一流ホテルのルームサービスで頼むと1000円かかることもあります。

この差はなぜ生じるのでしょうか。

 

売り手はついついモノ自体を売り込もうとします。

「うちのコピー機は他社よりも画質・スピードが上回っています!」など,機能や性能から得られる商品の表面的なメリットを強調しがちです。

商品自体の質が同質化・コモディティ化していても気付かず、モノの特徴を前面に出そうとします。

モノはマネされやすく競争が起こりやすく、コモディディ化も進み価格競争にもなりがちです。

 

顧客の興味はモノの特徴にあるのか

その点を考え抜くべきだと思うのです。

 

例えば、ハワイ旅行に行きたいと申し出た顧客がいたとします。

何泊にするか、どんなプランにするか、値段をいくらにするか,これも大切な要素でしょう。

しかし、旅行に行きたい目的は人それぞれ異なります。

普段会話出来ていない家族とコミュニケーションを図るため旅行であれば、移動が多く、ゆっくり出来ない海外旅行よりも、家族だけで入ることが出来る家族風呂付の温泉旅行に行って、手料理を食べてもらう方が良いかもしれません。

意中の女性にアピールするためであれば、そもそも旅行じゃなくてもいいかもしれません。相手によっては、綺麗な夜景が見れるレストランでディナーを一緒に楽しむ方がいいかもしれないのです。

 

当社のモノを買うとどんな良いコトがあるのか

顧客が心から得たい真の利点を商品という形に変えることができれば、売り込まなくてもよい経営ができるのではないのでしょうか。

 

どんなに遠くても,どんなに高くても、御社のサービスを支持したい

そんなファンがいるような商品ができたらどんなに素晴らしいことでしょう。

人がモノを買うのは得られる利益を感じたときであり、商品の価値は商品そのものが決めるのではなく、最終的には顧客が決めるのだと思うのです。

 

3つの時間

経営者が会社のために使う時間には限りがあります。会社のために効果的な使い方をしているかどうかを判断するためには、「3つの時間」を知ることが有効です。

 

1.トラブルに対応する時間

お客様からのクレームや事故といったトラブルが発生した時、リーダーは率先垂範の心構えで迅速かつ真摯に対応しなければなりません。しかし、経営者が多くの時間を割いてトラブルを解決したとしても、元の状態に戻るだけで会社がより良くなるわけではありません。

 

2.現在の事業を維持するための時間

お客さま対応、仕入先との取引、社員との面談など多数あります。どれも大切な仕事ですが、経営者が精一杯働いているつもりでも、会社は現事業を維持するので手一杯になり、時代の変化とともにジリ貧に陥ります。

 

3.会社の未来のために使う時間

経営者にとって最も重要になるのが、会社の未来のためにどれだけの時間を使うことができるかです。未来のために時間を使えるのは経営者だけです。どんなに優秀な部下であっても、目の前の仕事を確実に終わらせることが部下のやるべき仕事だからです。

未来のために使う時間とは、新規事業の構想を練る時間、新規事業を立ち上げるために使う時間、現事業の新たな機会追求に費やす時間、将来の幹部候補生となる有能な人材を確保する時間、学びを得るためにいろんなセミナーを受ける時間、新たな人と会う時間などであり、未来のための布石を打つ時間を持つのは、会社の未来にとって大切なことなのです。

「散歩のついでに富士山に登る人はいない」ように、トラブル対応、現在の事業維持に時間を費やす日々の中では、未来のための時間を確保できません。「未来のために使う時間」の確保は、意識的に優先して確保することが大切です。

経営者は仕事以外の時間の使い方も重要です。病気などのトラブル対応や現在の生活維持だけでなく、健康で豊かな老後の生活を送るための準備など自分の未来について考える時間を確保すべきだと思います。目の前のことに時間を使う一方で、未来のために時間を使わなければ、その場しのぎの人生で終わってしまうと思うのです。

 

運を見る

あるジャーナリストが松下幸之助と部下の抜擢について尋ねました。

「あなたは部下を抜擢するときに、その人のどこを見ますか?頭の良い悪いですか?」

「そんなのは関係ない。頭の良い人間は、要領よく生きようとしてむしろ小賢しい。小賢しいよりは『鈍』な人間のほうがいい。」

 

「では健康ですか?」

「それも関係ない。健康な人間は陣頭に立って、『俺について来い』という。しかし、そういうときには得てして、後ろを振り返ったら誰もついて来ていなかったということがある。私は半病人だから、そんなに気張って前を歩くことはできない。みんなの後ろからついていくわけですよ。」

 

「それでは誠実さですか?」

「誠実も関係ない。従業員が誠実になるかどうかは経営者しだい。経営者がエコヒイキをすれば、従業員は皆、非誠実になって裏切りだってやりかねないのです。」

 

「では、いったいどこを見るのです?」

「運です。運のない人間はあきまへん。」

「一目見て、この人間は運が良いいのか悪いのか、分かるのですか?」

「わかります。」

 

松下幸之助が言うところの「運がいい」とは何でしょうか。

天運に恵まれた人が良いという意味ではないと思います。

上手くいっている方々の中には「自分は運が良かった」と言う方も多くいます。

難しい問題や矛盾する出来事があったとき、いつも前向きに楽しんで取り組むことで、物事は解決しやすくなり、ひいては運をも引き寄せるという意味ではないでしょうか。

 

人の上に立つ人が難問にぶつかった時に「ついていない」「運が悪い」と暗くなっては、組織全体が暗く悲観的になってしまいます。

特に人の上に立つトップには、運を引寄せる考え方と行動と習慣が必要だと思うのです。

 

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