交通事故の損害賠償に時効はいつ来る?熊本・八代で時効を止める方法を八代の弁護士が解説
2026/10/20 08:32|カテゴリー:交通事故
こんにちは。弁護士法人Si-Lawです。交通事故の損害賠償には時効があり、期限を過ぎると、本来受け取れたはずの慰謝料や治療費を請求できなくなります。「交通事故の時効はいつから何年なのか」「治療が長引いているうちに期限が来てしまわないか」というご相談は、熊本・八代でも少なくありません。この記事では、時効の年数と起算日、期限が迫ったときに時効を止める方法を整理してご説明します。

交通事故の時効は「物損3年・ケガ5年」が基本
交通事故の損害賠償請求権は、2020年4月1日施行の改正民法により、人の生命・身体を害する不法行為については「損害および加害者を知った時」から5年とされました(民法724条、724条の2)。一方、車の修理代などの物の損害は、従来どおり3年です。同じ一つの事故でも、物損と人身で期限が違う点が、まず見落とされやすいところです。

加害者が分からない事故(ひき逃げなど)では、加害者が判明した時から年数を数えることになりますが、これとは別に、事故の時から20年を過ぎると請求できなくなります(民法724条2号)。また、自賠責保険に被害者側から直接請求する「被害者請求」の権利は、加害者への賠償請求とは別の制度で、こちらは3年です。賠償請求がまだ5年残っていても、自賠責への請求期限が先に来ることがあるため、二つの期限を分けて管理する必要があります。
後遺障害が残ったときの起算日は「症状固定日」
時効の計算で最も間違えやすいのが、後遺障害が残った場合の起算日です。治療を続けてもこれ以上の改善が見込めないと判断された日を症状固定日といい、後遺障害による損害(後遺障害慰謝料・逸失利益)については、この症状固定日から年数を数えるのが実務上の扱いです。治療期間中の治療費や入通院慰謝料は事故日から数えますので、一つの事故の中に起算日の異なる二つの請求が並ぶことになります。
もっとも、傷害分についても治癒日や症状固定日を起算日とみる考え方があり、解釈に幅があります。争いを避けるには、最も早い起算日である事故日を基準に期限を見ておくのが安全です。症状固定の判断そのものが示談額を大きく左右しますので、詳しくは症状固定と言われたら治療は終わり?その後の流れもあわせてご覧ください。
なお、事故当時はまったく予想できなかった後遺症が後から現れた場合には、その損害について別に時効が進行すると判断した裁判例もあります。ただし、年数が経つほど事故との因果関係の証明は難しくなりますので、気になる症状が出た時点で早めにご相談ください。
示談交渉中でも時効は止まらない
「保険会社とやり取りを続けているから大丈夫」と考えてしまう方がいらっしゃいますが、担当者と電話や書面で交渉しているだけでは、時効の進行は止まりません。とくに、過失割合や後遺障害等級で折り合わず交渉が長期化しているケース、治療が数年におよんでいるケースは注意が必要です。示談の時期と期限の関係は交通事故の示談はいつすべき?示談交渉の流れと期間の目安でも取り上げています。
また、物損と人身を別々に進めている場合、車の修理代の話し合いだけが長引いたまま3年が近づくことがあります。物損の請求は人身より期限が短いため、修理費や評価損の交渉が残っているときは早めに確認してください(交通事故の物損事故で慰謝料はもらえる?請求できる補償の範囲と注意点)。
時効を止める4つの方法
期限が近づいたときは、次のような手段で時効の完成を猶予したり、時効期間を振り出しに戻したり(更新)することができます。
①裁判上の請求…訴訟を起こせば、判決が確定するまで時効は完成せず、確定すると時効が更新されます。調停を申し立てる方法もありますが、不成立になった場合は1か月以内に訴訟を起こす必要があります。
②催告…内容証明郵便で請求すると、6か月間だけ完成が猶予されます。繰り返しても延長されないため、その6か月の間に訴訟などの手を打つことが前提です。
③協議を行う旨の合意…加害者側と、権利について協議する旨を書面で合意すれば、原則1年間猶予されます。
④相手方の承認…保険会社が治療費の支払いを続けている場合など、債務を認める行為があれば時効は更新されます。ただし「支払いが続いている=承認」と当然に言い切れるわけではなく、後から争われる余地があります。
自賠責への被害者請求の3年については、保険会社所定の時効中断(更新)の手続きを取ることで期限を延ばせる扱いがあります。こちらは賠償請求とは別に、保険会社の窓口で手続きが必要です。
熊本・八代で期限が迫ったときの進め方
訴訟を起こす場合、請求額が140万円を超えるときは地方裁判所の扱いとなり、八代市・氷川町・芦北町・津奈木町などにお住まいの方は熊本地方裁判所八代支部が窓口になります。140万円以下であれば八代簡易裁判所です。交通事故の訴訟は、加害者の住所地だけでなく事故が起きた場所や被害者の住所地を基準に起こせる場合があり、熊本市の本庁ではなく八代で進められることもあります。
八代・宇城・人吉方面は国道3号や南九州自動車道の交通量が多く、通院が長引くむちうちのご相談を多くお受けします。治療が1年、2年と続くうちに事故から時間が経ち、気づいたときには期限が目前という事態は避けたいところです。残りの期間が半年を切っているときは、訴訟の準備に加えて証拠の取り寄せにも時間がかかりますので、早めに動く必要があります。
時効の起算日は事案ごとに判断が分かれることがあり、自己判断で「まだ大丈夫」と考えるのは危険です。事故の日付と診断書、保険会社とのやり取りの記録をお持ちいただければ、期限がいつ来るのか、どの手段で止めるのが適切かをご一緒に確認できます。
八代・熊本での相談実務
八代市内では国道3号線や南九州自動車道での事故のご相談が多く、通院先が限られる地域では、転院や通院間隔をめぐって保険会社と見解が分かれることがあります。訴訟になった場合は熊本地方裁判所八代支部が管轄となり、示談で終えるか訴訟に進むかで見込める賠償額が変わることもあります。当事務所は八代オフィスを拠点に、地元の医療機関への通院状況を踏まえてご相談を伺っています。
こんなときは弁護士へご相談ください
- 保険会社から提示された賠償額が妥当か分からない
- 治療がまだ必要なのに、保険会社から治療費の打ち切りを告げられた
ご相談の流れは、お電話またはフォームでのお申し込み → 日程調整 → 八代オフィスまたは熊本オフィスでの面談(オンライン相談も可)です。相談料は1時間11,000円(税込)、1時間を超える場合は30分ごとに5,500円(税込)です。受付時間は平日8:50〜17:30(土日祝休)です。
お電話でのご相談:八代オフィス 0965-62-8582(弁護士部門)/熊本オフィス 096-234-6543
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本記事は一般的な法律情報の提供を目的としたものであり、個別の事情によって結論は異なります。記載内容は公開日時点の法令・実務運用に基づくもので、特定の結果を保証するものではありません。具体的な対応は弁護士にご相談ください。
執筆・監修:弁護士 西田幸広(弁護士法人Si-Law)
公開日:2026-10-20 / 最終更新日:2026-10-20

